あぁ、無理

俺はいまハチオウジにいる。さむい。やたら寒い。疲れ切った俺をさらに疲弊させようと寒風が吹き荒れる。寒い。寒すぎる。ついつい週間朝日とかの下世話なくびつり、じゃなくて中吊りの広告に喚起されて少年ジャンプを買ってしまう。街はくりすます。靴下が充満している。明日オープンのネカフェのティッシュをもらう。こんなに寒くても女の子が身体に大きすぎるアコギを弾きながら歌っている。寒い。寒いから誰も足を止めない。そんな俺もすごい好きなタイプの声だったのに寒いから素通りする。さようならイチゴウイチエ。彼女の歌声があんまりの寒さに結晶になって砕けませんように。それはあまりにも痛いから。気が付いたら淀橋にいた。職業病か。ゲームの叩き売りラックを漁っている。ムシヒメ様が安くなってたら買おうとか血迷ってたら6000円してて救われる。ここまで書いたら指が寒くて、痛くなってきたら急にさっきの女の子が可愛そうになって道を戻ってみる。心のどこかでもういないような切ないストーリーを期待してたのにまだ歌ってて萎える。つか、
よく聞くとあんまりうまくはない?いや、ただ単に俺の好みじゃなかっただけ。カラオケ屋が流すウタダヒカルに押しつぶされながら歌う彼女に乾杯。