無題

たくさんの記憶があって
それがある種の思い出となって
もう戻れない毎日がある
なんて下らない言葉だろう。
日常は急速に、緩慢に、変化し
穏やかな、激しい、終演を、閉鎖を迎える
それすらない怠惰
右に左に振られながら
ダラダラとした坂道を下る
視界の端には湖、水溜まり
凍える手を暖める声
明るい街灯
葉を落とす広葉樹
人に投げられた礫