2004-07-28 梅雨 多くの声が聞こえる。 その中からいろいろな人が私を呼ぶ声が聞こえる。 本名で。名前で。苗字で。あだ名で。愛称で。英語で。愛情を込めて。憎しみとともに。事務的な声で。叫び声で。 そのどれもが私の呼称であり、私が呼ばれている事が認識できた。 だが、私は自分の名前を自分で思い描く事ができなかった。 他の人が私を呼ぶ事は出来ても、私は私を呼ぶ事が出来なかった。 私は自分の名前を失ってしまっていた。