晴れ。


ふと、思い立ってはてなダイアリーを始めてみた。
始めたのは良いが、私には書くことなんて何もなかった。
仕方がないから友達から来た手紙を載せる事にした。
その手紙はタイトルが『夜行列車』とか書かれていてそれに「ヤマザキヨシト」とルビが打ってあった。
ルビの所に自分の恋人の名前を書くなんて何て変な奴なんだ。
いや、もしかしたらこいつがヤマザキヨシトだったかもしれない。
今となってははっきりしない。
ヤマザキヨシトはダンサーだった。彼(彼女)はアメリカのとある町でダンスを踊っていた。
それがストリップか、バレエか、レゲエかは定かではない。
アメリカの小さな町のバーでダンスを踊っていたのか、大都市の巨大なステージの中央で踊っていたのかも分からない。
ただ、ヤマザキヨシトはダンスを踊った。
はっきりと力強い踊りだった。
それは神に奉納するためでも、誰かを慰めるためでもなかった。
ただ、自分がそこにいること。それだけを頼りに踊られたダンスであった。
私はヤマザキヨシト以外にそんなダンスを踊る人を一人しか知らなかった。
だから、私はヤマザキヨシトを愛した。彼の才能を愛した。
たとえそれが一時限りの冗談であったとしても。