昨日は砂浜を全力疾走していた。それも二度、三度と。子供の頃以来であろうか。あのような大疾走は。砂浜を全力疾走すると膝関節に通常以上の負荷がかかる。そんな全力疾走をしていたのは、直島の、南の、砂浜である。昨日あげた、黄色いかぼちゃを岬の先から見たときから、俺は何かに衝かれていた。ざらざらした衝動だけがあって、走って解消してみようと試みたが全く足らない。観光客がたくさん居る中で大声で叫んだりしていたが、特に効果はない。周りの人が妙に遠い場所であった。それでいて、モノも海も静かである。今から思うと、妙に音がない。海の音はあるのだが、音が無かったようだ。
ちちゅうううう美術館はとてもよかった。作品が。建物は作品に振り回されている。いや、むしろ気が散る建物。もっと普通でもよかったんじゃないのか。植林?されてる木々が不自然なのが目に付いた。一日中にいたら精神病になりそうである。地中だからか。地中はよく出るというしな。あの、真っ白な部屋で壁に反射した月明かりの中たたずむ霊体独り。なかなか素敵な世界である。巨大な球体に映りこむ霊体。4方を壁に囲まれ、天井にあいた正方形の穴から空を見る霊体。平面化される霊体。どの部屋も霊体が似合う。生きている人のための建物ではないようだ。その割りに墓石もない。あれ自体が大きな墓地であろうか。シコウテイのヘイバヨウはあのような世界であろうか。この建物は光の感じや、石の冷たさが夏に相応しい建物であるな、と感じたが、そう考えると冬の冷え切った建物もよいかもしれない。よりキリキリと迫る寂しさが落ちているかもしれない。
べねっせの方は行く価値はないかも。じゃこめってぃが一人と。でっかい大理石がよかった。眺めもよかったが。それよりも海岸に落ちているものを巡ったほうがずっと楽しい。ついでにアンドウの建築は一日一軒で十分であろう。
それ以外は行っていない。もう一度行こうか。もう一度行ってみないと分からない。人が居る場所であるのに、人が居れる場所は少なかった。とても楽しかったんだよ。
真面目に自分がやりたいことやってようと思うと人間関係とか色々面倒になる。広げきったアンテナ折りたたんで山籠りでもしていたい。2ヶ月ぐらい人と会わずに余計なことしゃべらなかったら良いんじゃないんだろうか。