ありがとう。さようなら。


時折凄く幸せな気分になる。
それは例えば、ビリヤードをやっていて出鱈目な球を打って友達とゲラゲラ笑っている時。
そういったときふっと我に返って隣りを見ると、そこにいる奴もこっちを見ていて顔が合った瞬間にニヤッて笑うような時。
そんな瞬間に自分にはこいつ等がいてなんて幸せなんだろうとか思う。
それまでの時間とは無関係にパッとそのときだけの時間に帰って球を突いて、ゲラゲラ笑って、街の中をなんのあてもなく何時間もダラダラと歩き回れる相手がいて。
でも、それと同時に酷く孤独も感じる。
どうして自分はこんな所にいてしまうのかと。自分が少しでも幸せだと思える場所にいてしまうのかと。
そこには孤独でしかない。
人がいる事で孤独があり、一人であればそこには孤独は発生し得ない。
それなのに何故こんな所にいるのかと。
それでも人の間に帰ってしまう。その弱さ。